ピアノ蓋工作殺人事件。私は狙われている
一歩間違えば私の手の指はつぶれ、腕は骨折、おまけにピアノ線が切れて飛んできて眼鏡をぶち破り、目に刺さり失明。もはやピアニストととしては再起不能。な~んて、なりかねない事が起こったからたまらない。
先日、光井章夫さん(Tp&Vo)の音楽活動五十周年記念コンサートが都内某区民ホールで行われた。この日は昼・夜と2回公演で午前中から舞台上で念入りなリハーサルをこなし本番に臨んだ。
ちなみに、この日のメンバーはベテランが勢揃い。光井さんの他に花岡詠二(クラリネット・アルトサックス)五十嵐明要(アルト サックス)芦田ヤスシ(テナー サックス)松岡優慈(トロンボーン)根市タカオ(ベース)八城邦義(ドラムス)そして私という総勢8人のバンドであった。
さて昼の部も中休み前の1曲「ストライク・アップ・ザ・バンド」まで進行し、クラリネットが軽快にソロを吹いている途中に前代未聞のアクシデントが起きた。
私が弾くベーゼンドルファーという(高級な)グランドピアノの開けてあった重厚な蓋が大音響と共に本体の上に外れ落ち、支え棒は折れてしまった。
普通、この規模のコンサートならばピアノの中にマイクを最低2本はセットするものだが不幸中の幸いで、この日はマイクを1本、それも弦が張られてる外側に近いところにセットしてあった。
このため落ちたピアノの蓋との接触を免れたのだ。もしマイクが通常の形でセットされていたら蓋の重みにマイクは押しつぶされ冗談じゃなく弦を切ってしまうことになっていたにちがいない。
この勢いで譜面は床に飛んでいったが、演奏中の譜面はなぜかピアノの上に乗ったままだった。やはり日頃の行いが良いせいか「不幸中の幸い」は重なり演奏中断には及ばなかった。
後に会館の人に聞いてびっくり、なんと我々の前にピアノを使った人が蓋をはずして使い、その後、本体と蓋の蝶つがいの心棒を入れないで帰ってしまったらしい。
さすが高級なピアノだけあって立て付けが良いために心棒が入ってなくても蓋を支えることが出来ていたわけだ。しかしながら私の迷演奏、いや名演奏にピアノの蓋、いや蝶つがいも耐えられなくなったのだろう。
それからというもの演奏場所に行って、まず何をするかというと、ピアノの蓋のチェックである。つまり蝶つがいの心棒がちゃんと入っているかをチェックするわけだ。もはや、調律の狂いなんか気にしてる場合じゃない。
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