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先日あるパーティーにマネージャー代理(一応、事務所の代表)ということで出席した。
とにかく初めての人の集まりに顔を出すなんということはワタクシの性分に合わない。そのような雰囲気の中でアルコールが体内に入ってきてもリラックスできない。
まだあまりお客さんの集まっていない会場の隅っこのテーブルに座って受付を眺めていた。
誰か知ってる人が来てくれたらと願いつつ眺めていると見覚えのある男が入ってきた。南佳孝さんであった。
私は30年前くらいに何度か彼のコンサートに参加して、その後1983年に私のシャイニーストッキングスのアルバム・プロデュースを頼んだことがあるが、それ以来の再会となった。
南さんは会場に用意されたあまりコンディションの良くないギターを弾きながら快く歌っていた。しばらくして「洋ちゃん、30年ぶりにやらない?」という南さんの言葉にジャズピアニストとして参加してたのではないが「やろう」ということになった次第。
南さんの歌声も変わってないし彼も私に「洋ちゃんも変わってないね」ということで結果的には楽しい夜になった。
帰りにパーティー主催のスタッフから「今もピアノ、弾いてるんですか」といわれ「一応現役です」と答えて帰ってきた。今夜はピアノの上手な事務所の社長の気分・・・と日記には書いておこう。
最近、政界がごたごたしているようだがニュースで話題の政治家などが黒塗りの車から降りるところや乗り込むところをリポーター、カメラマンが追っかけるシーンをよく見る。
運転手付きの黒塗りの車なんぞ社長、偉い政治家の先生、ヤクザの偉い方しか乗れないものだと思っていたが私も仕事に行くのに迎えに来てもらってたことがあるのだ。
出かける15分前にはちゃんと私のマンションの前で待機していて出かける時間にまだ私が出て行かないと玄関まで迎えに来てくれるのだ。
この様子を見ていたマンションの管理人が不思議そうな顔をしていた。
まるで社長になった気分であった。1983年頃TV朝日「モーニングショウ」にて北村英治カルテットの編曲とピアノを担当していた時の話である。
実は朝早い生放送のゆえ遅刻されたら困るということで信用のないジャズミュージシャンへのテレビ局の対応だったのである。ちなみに帰りは会社員や学生の通勤通学時間、電車に揺られて帰ってくるのであった。
黒塗りの車といえばこれまた18年前くらいの話になってしまうが石川さゆりさんがある音楽番組で歌うために英語の曲のレッスンを受けに来てたことがある。
彼女は公演の終わった後でも黒塗りのベンツでやって来ては何時間も運転手を待たせてレッスンに熱中していた。真夜中にレッスンが終わるとベンツの自動車電話に電話して付き人を部屋の入口まで迎えにこさせて帰っていった。
つまり所属事務所(その当時ホリプロ)が本人一人では外を一歩も歩かせないのだ。さすがスターは違う。私もヨボヨボ爺になったら一人では歩けなくなるのかなぁ・・・・と日記には書いておこう。
ピアノの椅子の高さは演奏者によって違いがある。
最近読んだクラシック・ピアノ奏法の本で低い位置に座る利点が書かれていたが私の大好きなエロル・ガーナーというジャズ・ピアニストは椅子の上に更に電話帳を置いて高くして演奏していた。
映像を見るとほとんど立ってピアノを弾いてる感じでゴッツイ指が鍵盤に向かって垂直に突き刺さるような弾き方なのだが素晴らしい音なのである。
また、あるピアノレッスンのテレビ番組で中村紘子さんは生徒に椅子を高くしてオーケストラに負けない大きな音を出すよう指示していた。
私は正式にクラシックピアノを習った事がないのでピアノを弾くというよりは叩いているようなものだが、昔ピアノの椅子の高さを一番高くして弾いていた時期がある。
あるお店で私が出演した翌日来たピアニストが椅子の高さを見て「昨日は小林洋さんだったでしょう」と言ったという話を聞いたこともある。
前述の本を読んだ訳ではないのだがここ数年は一番低くして弾いている。これといった理由はないのだが自分にとって無理な力が入らなくて良い感じがするのである。低くすることにより必然的に背筋を伸ばす姿勢になるのかもしれない。
コンサート等で一台のピアノを複数のピアニストで使う場合、椅子の高さを高くして弾く人もいれば現在の私のように一番低くして弾く人もいるので各々弾くときにセッティングを変えることになる。
私が弾いている店に遊びに来た仲間の女性ピアニストが数曲弾く事になった。その当時、私は椅子を一番高くして弾いていたのだが彼女は一番低くして弾く人だったので「椅子を下げていいですか。私、椅子低いんです。」といってセッティングしていた。私よりも先輩ピアニストなのに礼儀正しい人だと感じた。
また、あるコンサートで前半を担当する私のバンドが先にリハーサルをした後、後半を担当するバンドがリハーサルをして本番は再び私のバンドからスタートする機会があった。
これまた同様に私は椅子が高く、後半担当のバンドの友人であるピアニストは椅子が低かったのである。彼も本番前に私のところにやってきて「ピアノの椅子低くしたままでゴメン」といっていた。私のピアノでもないのに本当に礼儀正しい人達だ。
椅子を低くしている最近、大きなコンサートで私達が先にリハーサルをした後、ビッグバンドがリハーサルして本番は私達からスタートという流れでビッグバンドの先輩ピアニストから私宛に「ピアノの椅子を少し高くしたままですみません」というメッセージがスタッフを通じて届いた。
私も同じ立場になる事がよくあるので極力椅子の高さを戻すように心がけている。たかが椅子の高さの話であるが他人のセッティングを変えるわけだからマナーであるしピアノを道具と捉えるか自分の心を表現してくれる大切な楽器と捉えるかの違いといっても過言ではない。
クラシック・ピアノを長年習って音大を出たような人でも以外に無神経な人の多いこと。しかし、この様な話は説教じみてとられたらバカバカしいので生徒や若いミュージシャンにもしないことにしている。要するにデリカシーの問題なのだ。
11月3日・4日の二日間、岡崎ジャズストリートに行ってきた。
半年前に脳梗塞を患い左半身が不自由になったトランペッター「バンちゃん」こと光井章夫さんがステージに戻ってきた。
今回は「光井章夫オールスターズ」として出演が決まっていたのでステージの途中で光井さんを呼び込むと杖をついてステージの中央までたどり着くやいなや、ジョークを飛ばしつつボーカルを復活させたのである。
長年一緒に演奏してきた我が愛する光井さんと演奏できなくなって数ヶ月というもの、光井さんのレパートリーをよそで演奏する度、彼のラッパの音や歌声が蘇り涙が出そうになる日々であった。
今回はステージから降りてきたメンバー全員が異口同音に「復活した光井さんの歌声に感動してジーンと来た」と語っていた。
そして12月あたりから光井さんをライブに引っ張り出そうということでメンバーの意見は一致した。
私の音楽人生で(といっても75歳の現役ミュージシャンから見たらまだまだ若僧の私だが)このような感激を味わったのは初めてだ。とにかく音楽を続られることへの感謝でいっぱいの瞬間であった。と日記には書いておこう。
ピアノを弾いてるとき、譜面を書いてるとき、頭の中は理系か文系かなどという事を考える。
特にアドリブをやってる時は自由なスペースがあり発想というものが必要不可欠である。
頭の中に絵や景色、色、言葉などが浮かんで出た音、幾何学的な図形を意識したり同じ和音に適応したパッセージを意識的に当てはめて音を出したり、人によっていろんな要素が絡み合って演奏されるのである。
もちろん考えてるだけではなく人間である以上、ここに感情移入がないとつまらない。何はどうあれ魂を込めるわけだ(口で言うは易しいが)。
私は音楽的基礎教育を受けたわけではないので聴いた音楽をすぐ覚えて弾いたり書いたりする事が苦手である。
だから音楽的構造をしっかり自分の中で整理して覚えたり演奏しないと不安なのである。悪く言えば「理屈っぽい」良く言えば「こだわりを持った」タイプといえる。
しかし時として理屈には合わないものにも遭遇する事がある。
そういう場合は屁を一発かまして「屁理屈」をつけて乗り切るわけである。
本人も良く意味が分からなくなってきてしまったのでこの話はもう「一巻の終わり」。
最近、自分自身の感じる心が薄れてきたのかと心配していたのだが昨日のコンサートではその心配が吹っ飛ぶどころか最初から最後まで呼吸困難状態におちいるほどの感動であった。
この感動は今は亡きアントニオ・カルロス・ジョビンが来日した時のコンサート以来である。
ハーモニーの音楽!ミシェル・ルグラン。
フランスはドビッシーやラベルの国、ハーモニーとオーケストレーションの伝統、文化が当然ルグランの音楽にも脈打ってるわけでそのオーケストラの生の音を浴びさせてもらったのだから感動なんて言葉一言じゃ表現に値しない。
とにかく美しいのだ。そして、これこそジャンルを超えた音楽でありピアノのアドリブは「そこまで遊ぶか」という程スピード感あるパッセージの連続。
歌声はというとこれまた75歳とは思えぬレンジの広さに開いた口がふさがらない状態だった。天才!音楽の化け物!神様!
さらにルグランのお姉さんで2歳上と書いてあるから77歳のクリスチャンヌ・ルグランさんが登場してルグランとスキャットで掛け合いをバリバリやってしまうという一体この家族はどうなんてるんだろう。
私も自分の手がけているザ・シャイニーストッキングスの譜面を書くために昔は多くのコーラスを聞いた。
確かフランス語で歌うブルースターズというジャズコーラスグループのレコード解説にルグランのお姉さんの作ってるグループと書いてあった記憶はあっていたのだ。
そのコーラスアレンジも手がけていた彼女の歌を聞けるなんていうのも鳥肌なんていう表現では足りない、もうあまりの感激に「焼き鳥肌もん」であった。
ホントに久々の感動マンボ!と日記には書いておこう。
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