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2008年9月 8日 (月)

評論家

「ザ・シャイニー・ストッキングスについては、それほどよく分からない。ハーモニーについては悪くないと思うが、コーラス・アレンジがひどすぎるのではないか。妙な細工をしすぎる。歌が分からない人がやっているんじゃないか、それともわざとヘンなアレンジでグループを困らせているんじゃないかと邪推したくなるほどである。」(84・3)

「シャイニーは例によって例のごとくで、コーラスとしてはいまひとつパンチがない。面白さに欠ける。コーラス・アレンジがよくないのだとぼくは思う。アレンジャーを思いきって変えることをおすすめしたい。」(84・11)

この文は私の会った事もない批評家T氏(故人)が1986年に某有名出版社から出したエッセイの中で書かかれたもので、念を押すように二度もシャイニーというかワタクシの事が出てくる。

どうでも良いけど(良くないけど)、まずザ・シャイニーストッキングスは私のグループで私がすべてを作ってるという事を知らずに(T氏もよく分からないと書いておられますが)評論しているところが滑稽。

この本が全国の本屋さんに並んで素直な音楽ファンに先入観を植え付けられ、一冊売れるごとにT氏に印税が入ったかと思うと誠に気分が悪い。

私だけでなくいろんなミュージシャンの批評を書いてある中から見つけ出したものですが、褒めてるミュージシャンも当然あって逆に業界を知ってる私から見ると知り合いのミュージシャンとの癒着としか思えない箇所が多々ある。(ご本人は評論家たるもの本質を見極め私情に流されてはいけないみたいな事はいっておられますが)

先日トロンボーンの河辺浩市さん(81歳)が楽器を持って私が出演中のライブハウスに遊びに来て下さった。一緒に演奏して休憩時間となると恒例(高齢?)の昔の話に花が咲くわけだがその日はピアニストY氏(故人)の話をしてくれた。ちなみにY氏は河辺さんより後輩のジャズピアニストだが映画音楽やCMを多く手がけた有名なお方。

しかし河辺さん曰く「あんな嫌な奴はいない」とのこと。理由を尋ねると、もう決まってるギャラをメンバーに渡す際にわざわざ現金の束を持ってきて、みんなの見てる前で「さあーて、いくら欲しい?」などといって配ったそうだ。さすがの河辺さんも見かねて怒ったそうだ。

実はこのY氏、前述の評論家T氏が大変かっていて、シャイニーストッキングスがデビューした同じ時期にやはり女性3人のコーラスをプロデュースしていたのである。そのグループはシャイニーとは全く違う、どちらかというとソウルっぽい感じのスタイルだった。

当時私たちが出演しているライブハウスの客席の隅に時折なぜかY氏がいたのを記憶している。T氏もY氏ももうこの世にはいないので真実は分からないがT氏のアレンジャー批判にはY氏の意見も関係してるのではないかと邪推したくなるほどである。(T氏の文から引用)

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