最近のミュージシャン事情
ミュージシャンは本来音楽を提供するのが仕事であるがバブルがはじけた以降は演奏技術もさることながら集客能力も問われる時代になった。
昔は仕事に行くのにその日のお客さんの入り具合を考えたことなど大よそ無かった。もっとも私が演奏していた仕事場というのはお店にお客さんがついていて、たまたま私の演奏を気に入ってくれたお客さんが「他ではどこで演奏してるの?」みたいな会話があり、結果他の出演場所にも来てくれるという事はあった。
新宿ピットインのようなジャズ喫茶的なお店では昼間若手ミュージシャン達が自分のグループでやりたい演奏を思い切って出来るのだがギャラはお客さんの入りに対しての歩合(チャージバック)なので入りが少なければ当然ギャラも安いという事になる。
もらったギャラをメンバーで分けると少ない時は一人あたり千円に満たない日もあるわけだ。私も過去に一回だけ昼間のピットインに出た事がある。名前は忘れたがフルートの女性がリーダーのバンドで終わったあとに数百円もらった記憶がある。
ところが近年は私たちのようにスタンダードを比較的オーソドックスに演奏するミュージシャンが出る店でもその店についてる客が少ないために出演者も集客リスクを負わなければならない時代がやって来た。ちなみに私も何処とは言いませんがチャージバックのお店にも出ております。
最近はジャムセッションと称してお客さんが歌ったり演奏するお店が増えたのであります。どうせお金を払って楽しむならカラオケ同様に演奏を聴くより弾いたり歌ったりしたほうが良いという風潮にあるようであります。
そういうお客さんの演奏や歌を聴きにそのお客さんの更にお客さんが友達を連れて来たりすると、お店としてはその日の売り上げ上がり好都合という事です。
しかしそいうお客さんの中にも希に素晴らしい演奏をする人もいるので頭が上がらない場合がある。
例えば前にもここに書いたクラリネットをお吹きになるMさん。いや、このお方は本業が演奏家になったのでプロですな。しかし私達が演奏してるお店にお客さんとして来てくれてお金を払って一緒に演奏するという微妙な位置づけになりますが私達は助かる訳であります。
こうなってくるとテレビ番組の「プロフェッショナル」じゃないけれど一応プロのつもりの私なんぞどうすりゃ良いんだ!
世の中、非正規雇用者云々の問題で揺れておりますが私達なんぞ最初から揺れて即ちスイングしておりますからケセラ・セラ・・・・と日記には書いておこう。
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