アレンジ考
アルバム「ALTO TALKS with STRING SEXTET」が今月(11/20)に発売の運びとなった。
昨年10月にアレンジを依頼され今年の5月にやっと出来上がり、録音を終えたのが8月。
一曲に時間を費やしてアレンジしてるわけではないのに50代半ばから仕事がはかどらなくなってきたのだ。
今回はアレンジ内容なども私に任せられていて自由に書いて良い仕事なのにホントに情けない。
1980年初めに家内率いる女性ボーカル3人と私のカルテットからなる「The Shiny Stockings」を結成、音域の狭い女性3声と楽器の綿密なアンサンブルを追及して譜面を書いてきた。
だが30年近くやってみて英語を分かってない人間が英語の歌詞を扱うことに後ろめたさを感じてコーラスの譜面が書けなくなった。
10年ほど前になるが長年書いてきた私なりのコダワリをザ・シャイニーストッキングスにも参加してくれていたバイオリンの小塚泰氏率いる6弦チームと弦と最も融けあうアルトサックスの宮野裕司氏に託して「ザ室内バンド」を結成した。
このバンドの録音を残すことが出来ず残念に思っていたところ、宮野氏とこれまた融けあうアルトの菅野浩氏の2アルト・ユニット「ALTO TALKS」と室内バンドの弦セクションで録音するという依頼。
シャイニーストッキングスのボイスアレンジは音域が狭いためメロディーパートとハーモニーパートが上になったり下になったりでバランスをとるのが難しかった。しかし上手くバランスがとれたときの気持ち良さはたまらなかった。
今回2アルトサックスの譜面を書きながらシャイニーのボイスアレンジをしている時のことがよみがえった。そして彼らの出してくれた音は私の理想とするメロディーも歌、ハーモニーも歌、が聴こえてきて感激でありました。
かつて録音する段になって訳のわからない注文をするプロデューサーも多い中、私に何の注文も付けず私の思ったように書かせて下さった古屋明さん(Audio.Fab)には感謝、感謝なのであります。
忘れてならないのは譜面を音にしてくれた気心知れたメンバーあっての作品であることは言うまでもありません。
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